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セキュリティエンジニアを目指している人にとって、年収は気になることのひとつでしょう。ここでは厚生労働省のオープンデータを参考に、セキュリティエンジニアの年収について紹介しています。収入のイメージづくりをする上でぜひお役に立てば幸いです。
厚生労働省が運営している「職業情報提供サイト(job tag)」(※1)の公開データによると、令和5年におけるセキュリティエンジニアの全国平均年収は、558.3万円になり、同様に算出された労働時間は全国平均で165時間でした。
同年の一般労働者における平均賃金は31万8300円(令和5年賃金構造基本統計調査)と報告(※2)されています。年収に換算すると380万円前後となるため、セキュリティエンジニアの給与は、他のIT関連の職種と同様に高い傾向と言えます。
なお、セキュリティエンジニアの運用・保守のスキルレベルをITSSレベル1~2、ITSSレベル3、ITSSレベル4、ITSSレベル5以上で分けた場合の年収は以下のようになっています。
(※1)参照元:job tag(厚生労働省職業情報提供サイト)セキュリティエキスパート(https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/321)
(※2)参照元:令和5年賃金構造基本統計調査 結果の概況「賃金の推移」[PDF](https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2023/dl/01.pdf)
ITSS(ITスキル標準)は、ITプロフェッショナルのスキルと能力を体系的に評価するためのフレームワークです。ITSSは7段階のレベルに分かれており、各レベルは求められるスキルと知識の深さに応じて定義されています。
例えばレベル1は基本的な業務遂行能力を持つ初心者向けで、レベル7は高度な専門知識と管理能力を有するエキスパートを指します。スキルレベルが高くなるほどより専門的な業務を任され、年収も増加する傾向があります。
ただし、ITSSはあくまでも数ある指標の1つにしかすぎません。エンジニアのキャリアパスや評価制度は各企業によって異なりますので、面接時には「どんなキャリアが描けるのか」「どのような評価制度が取り入れられているのか」を確認しておくとよいでしょう。
セキュリティエンジニアと他のエンジニアとはどれぐらい差があるのでしょうか。
領域別で比べてみましたので併せて参考にしてみてください。
システムエンジニアの賃金について、同様の「職業情報提供サイト(job tag)」(※)の公開データによると、令和5年における全国平均年収は557.6万円と算出されており、労働時間は168時間になります。
また、システムエンジニアもスキルレベルを「設計・構築」「ソフトウェア開発スペシャリスト」に分けることができ、それぞれスキルレベルごとの年収はおおよそ以下のようになっています。
(※)参照元:job tag(厚生労働省職業情報提供サイト)システムエンジニア(https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/314)
ウィルス対策ソフトなど、パソコンにインストールするパッケージソフトを企画・開発するソフトウェア開発の賃金についても、「職業情報提供サイト(job tag)」(※)ではシステムエンジニアと同様に全国平均年収は557.6万円でした。また、労働時間は、についても同じ168時間のようです。
ソフトウェア開発は「設計・構築」「ソフトウェア開発スペシャリスト」のそれぞれで、スキルレベルごとの年収はおおよそ以下のようになっています。
システムエンジニアとソフトウェア開発は、各スキルレベルにおいても同じ年収のようです。
(※)参照元:job tag(厚生労働省職業情報提供サイト)ソフトウェア開発(https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/316)
システムエンジニアとソフトウェア開発エンジニアは、平均年収がともに557.6万円、セキュリティエンジニアの平均年収は558.3万円がひとつの目安です。セキュリティエンジニアは他IT職種と同様に年収が高いと考えられます。
また、スキルレベルによる年収の幅を見ると、ITSSレベル1~3までは大きな差はなく、ITSSレベル4になると若干セキュリティエンジニアのほうが上がり、ITSSレベル5以上では、明らかにセキュリティエンジニアの年収が高い傾向がみられることが分かりました。セキュリティエンジニアは、スキルを上げることで高収入を目指せる職種です。
次にご紹介するページでは、「あなたじゃないと!」と言われるセキュリティエンジニアになる方法をご紹介。未経験者がセキュリティエンジニアになるための道のりやコツを紹介している特集ページもあるので、ぜひチェックしてみてください。
ここからは、年代別や地域別といった違う切り口からセキュリティエンジニアの年収について紹介していきます。
また、セキュリティエンジニアの給与が高い理由と将来性、年収1,000万円を目指す方法もまとめましたので、キャリアチェンジを検討する一助となれば幸いです。
年代 | 平均年収 | 月収 | 賞与 |
---|---|---|---|
20代 | 392万円 | 28万円 | 56.15万円 |
30代 | 553万円 | 37.25万円 | 105.50万円 |
40代 | 636万円 | 42.75万円 | 122.80万円 |
50代以上 | 659万円 | 44.45万円 | 125.45万円 |
参照元:求人ボックス(2024年10月22日時点)(https://xn--pckua2a7gp15o89zb.com/セキュリティエンジニアの年収・時給)
参照元:厚生労働省jobtag(2024年10月22日時点)(https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/321)
セキュリティエンジニアの年収は、スキルレベルだけでなく、年代によっても異なります。
年齢が上がるにつれて収入が増加していて、20代と50代以上では平均年収に約267万円の差がありました。その理由としては、年齢とともにエンジニアとしての経験が増える点や、勤続年数により賃金が上昇する人事制度がある点などが挙げられるでしょう。
20代や30代の方でも、スキルアップや資格取得に取り組むことで、平均年収を超える収入を得ることが可能です。
エリア | 平均年収 |
---|---|
北海道・東北 | 470万円 |
関東 | 463万円 |
中部・北陸 | 475万円 |
関西 | 490万円 |
中国・四国 | 482万円 |
九州・沖縄 | 477万円 |
参照元:求人ボックス(2024年10月22日時点)(https://xn--pckua2a7gp15o89zb.com/セキュリティエンジニアの年収・時給)
セキュリティエンジニアの給料相場を地域別に見ると、全国的に極端な差はありません。近年はテレワークやリモートワークの広がりにより、都市部以外でもエンジニアの年収が上昇傾向にあるからです。
特に近畿地方では、大阪府・滋賀県・兵庫県の3府県が全国の給与水準を上回っています。また沖縄県でもセキュリティエンジニアの待遇が見直されつつあり、平均年収は全国比+2%の504万円です。
ただし、平均年収がもっとも高い地域が、IT企業が集中する東京都である点は変わりません。関東地域の平均年収が463万円であるのに対し、東京都における平均年収は575万円(全国比+16%)です。
セキュリティエンジニアは、他のIT職種と同様に年収が高い傾向にあります。平均年収が高い理由や、今後の将来性について解説します。
日本では、セキュリティに関わる人材が質的にも量的にも不足しています。例えば、ISC2のCybersecurity Workforce Study(2023)によると、日本におけるセキュリティ人材は、労働力需要に対し11万254人も不足しています(※1)。
また、情報処理推進機構が中小企業を対象に行ったアンケート調査では、情報セキュリティ対策を進める上での問題点として、「人員が不足している(38.6%)」という回答がもっとも多く寄せられました(※2)。
このようにセキュリティ分野で人材不足が深刻化していることから、セキュリティエンジニアの需要はますます高まっています。
(※1)参照元:ISC2「Cybersecurity Workforce Study(2023)」[PDF](https://media.isc2.org/-/media/Project/ISC2/Main/Media/documents/research/ISC2_Cybersecurity_Workforce_Study_2023.pdf?rev=28b46de71ce24e6ab7705f6e3da8637e)
(※2)参照元:情報処理推進機構「2023年度 SECURITY ACTION宣言事業者における情報セキュリティ対策の実態調査」 報告書について(https://www.ipa.go.jp/security/reports/sme/sa-survey2023.html)
一方で、サイバーセキュリティ上の脅威は年々増大しており、セキュリティエンジニアの役割は社会に必要不可欠なものになっています。国立研究開発法人情報通信研究機構の調査によると、2023年に観測されたサイバー攻撃関連の通信数は約6,197億パケットに上り、過去最高を記録しました(※)。
同時に、サイバー攻撃の手口の洗練化・巧妙化も進んでいます。またIoT機器を踏み台にしたDDoS攻撃や、生成AIなどの新技術の普及に伴うリスクのように、新たなセキュリティ課題も生まれています。
今後もさまざまな分野において、セキュリティに精通した人材の需要が見込まれるでしょう。
(※)参照元:総務省「情報通信白書令和6年版」(https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r06/html/nd21a210.html)
IT職種の中でも、セキュリティエンジニアは情報セキュリティの分野に特化しており、専門性が高い仕事です。
新しいセキュリティ技術はもちろん、サーバーやネットワーク、OSなどのインフラ全般や、セキュリティ対策に向けたソリューション(セキュリティ製品など)、IT関連の法律・国際規格など、幅広い知識やスキルが求められます。
高度な専門知識が幅広く必要なセキュリティ領域ということもあり、教えられるレベルにある人も決して多いとは言えず、希少性の高い人材になれることは間違いありません。さらに言うと、セキュリティ分野はどのエンジニアも多かれ少なかれ必要とされるスキルです。エンジニアとしても市場価値の高い人材になれるでしょう。
セキュリティインシデントとは、望ましくないあるいは予期しないセキュリティ上の事故・出来事のことを指します。
セキュリティインシデントの報告件数は、コロナ禍以降急増しています(※)。リモートワークへの移行により、脆弱なネットワーク環境(自宅のインターネットやフリーWi-Fiなど)を利用する方が増えたためです。
セキュリティインシデントの中には、情報の漏えいや改ざんなど、深刻な被害につながる可能性のあるものも少なくありません。セキュリティエンジニアには、影響範囲を最小限に抑えるインシデント対応や、再発防止策の検討など、重要な役割が求められるでしょう。
(※)参照元:経済産業省・PwCコンサルティング合同会社「情報・サイバーセキュリティの基本と動向」[PDF](https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/sangyo_cyber/wg_seido/wg_uchu_sangyo/pdf/007_04_02.pdf)
セキュリティエンジニアの年収は、392万円~1,000万円以上と幅広く、勤務先や年齢・勤続年数、スキルレベルによって大きな差があります。
エンジニアにとって1つの目標である年収1,000万円以上を目指すためにやっておくとよいことを一部紹介します。キャリアアップのヒントになれば幸いです。
経験値の差なども影響してくるようですが、どちらにしてもセキュリティ人材は、まだまだ希少価値が高いということや、近年のサイバーセキュリティの急激な需要増加に対して、必要人材が足りていないなどの背景があり、比較的高い年収が見込める職業であることはわかっていただけたかと思います。
しかし、実際の仕事内容ややりがいはどうなのでしょうか?当メディアでは、インフラエンジニアなど他の職種からセキュリティエンジニアにキャリアチェンジした方々のインタビュー記事も紹介していますので、そちらもあわせてご覧ください。
新たな職業の選択肢を!をコンセプトに、様々な職業の魅力を伝えるWebメディアを展開するZenken株式会社。このページは「セキュリティエンジニア」という職業にフィーチャーするWebメディア「ガドマガ」編集チームが調査しまとめています。